ニューエラの59FIFTYは、数あるベースボールキャップのなかでも特に人気のアイテムです。
スポーツシーンだけではなく、ヒップホップシーンやストリートファッションでもなくてはならないアイテムとして近頃は知られています。
多くの有名人やアーティストが着用しており、世界中で愛されているこのアイテムですが、洗濯をしてもよいのかわからないという人も少なくありません。
帽子は洋服と異なり、洗い方がよくわからないものです。コレクターでもない限り同じキャップを揃えている人はそれほど多くはないでしょうし、洗濯不可なのに洗ってしまい大きく劣化してしまうのは避けたいところですよね。
そこで今回は、同タイプの59FIFTYを3つ用意し、新品と手洗い、洗濯機洗いでどの程度の差が出るのかを検証します。
INDEX
59FIFTYとは?ニューエラの人気キャップについて簡単におさらい
ニューエラの59FIFTYは、1954年にアメリカの野球リーグとして知られるMLB(メジャーリーグベースボール)の公式キャップとして誕生したアイテムです。
選手用として使われており、多くの工程において職人が一つ一つ手作業で作っていることでも知られています。
6枚のパネルとバイザーで構成されるこの59FIFTYは、フォルムが誕生当時からほとんど変えられていないことでも有名です。
選手のみならずMLBファンが着用しているのに加え、ヒップホップカルチャーやストリートファッションで好まれ、今では世界中でファッションアイテムとして愛されています。
煌めくサイズシールが貼られたまっすぐなバイザーが特徴ですが、実は出荷時に平らな状態で製造しているだけで、着用者の好みに合わせてカーブを作って着用するようにできています。
ニューエラ 59FIFTYの洗い方の詳しい検証内容
ニューエラ 59FIFTYは品質表示タグを見ていただくと分かりますが、基本的には「洗濯不可」のアイテムです。
そのため、自宅での洗濯はできず、ケアする場合はクリーニングに出す必要があります。
そのことを踏まえつつニューエラ 59FIFTYを洗ってみるにあたり、注目すべきポイントを紹介します。
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頭周りのサイズ
59FIFTYは、一般的なベースボールキャップや同じニューエラの9FIFTYと異なり、サイズ調節ができません。そのため、同じアイテムでもサイズ毎に展開されており、自分に合ったサイズを選ぶ必要があります。
参考までにニューエラのサイズ規定は以下の通りです。
インチ表記 cm 7 約55.8cm 7 1/8 約56.8cm 7 1/4 約57.7cm 7 3/8 約58.7cm 7 1/2 約59.6cm 7 5/8 約60.6cm 7 3/4 約61.5cm 7 7/8 約62.5cm 8 約63.5cm 今回の検証では「7 1/2」サイズのものを使用します。使用するキャップは専用のサイズ測定器で測りましたが、3つすべて規定とほぼ同じ約59.5cm程度なのは確認しました。
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色味
洗濯によってどのくらい色が変わってしまうのか気になる人は多いと思います。手洗いと洗濯機での洗濯でどの程度差が出るのか、検証では目視で確認します。
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型崩れの具合
洗濯をした際、型崩れしてしまうのかもチェックします。59FIFTYの魅力の1つとして挙げられる、形の良さが崩れてはショックを受ける人も多いでしょう。一度の洗濯でどの程度変わるのかを、こちらも目視でチェックします。
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刺繍部分
ニューエラ 59FIFTYの特徴の刺繍についても検証対象です。ほつれや色の変化の有無についてを確認します。
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サイズシールの劣化
ニューエラのキャップの最大の特徴として挙げられるのが、つばの部分に付けられた光り輝くサイズシール。シールの印刷が保たれているかどうか、劣化がないかをチェックします。
ニューエラ 59FIFTYの洗濯方法
ニューエラ 59FIFTYを洗う方法は以下の2つです。
- 手洗い
- 洗濯機
洗い方でどのような違いが出るのかを検証します。
手洗い
洗い方の一つ目は「手洗い」です。おしゃれ着や傷みやすい生地の服、洗濯機で洗いにくいものなどは手洗いで洗濯するのが一般的。脱水にはバスタオルを使い、水分を吸収してから平干しします。59FIFTYの生地を傷めずに洗えるかどうかを検証するため、水のみで優しく行う手洗いを実施します。
洗濯機
もう1つは通常の衣類を洗濯するのと同じく、洗濯機を使用して洗います。今回の検証では、普通に洗うとどうなるのかを確認したいため、通常の洗剤を入れて、ごく一般的な「通常モード」で洗濯します。こちらも手洗い同様に平干しします。
ニューエラ 59FIFTYは手洗い・洗濯機のどっちがいい?検証結果
ニューエラ 59FIFTYを実際に洗ってみて、どのような検証結果が出たのかを解説します。今回の検証では1度洗っただけのため、各項目ともに大きく劣化が進むということはありませんでした。しかし、細かな点で違いが生じており、続けて洗濯をしていくと劣化が激しくなる予兆が見受けられます。それらに留意してチェックしてみてください。
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頭周りのサイズ
頭周りのサイズは手洗いと洗濯機洗いで明確な差が出ました。
手洗いは59.3cm程度、洗濯機は59.0cm程度。手洗いの方はそれほど縮みは見られず、新品と近似値を保ちました。
一方、洗濯機は0.5cmほど縮んだ結果となりました。
洗濯機で洗うと生地に大きく負荷がかかるようです。
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色味
色味に関しては、手洗い・洗濯機どちらもある程度の色落ちが見られます。1回の洗濯ではそれほど大きく色落ちはしていませんが、新品のものに比べて黒の深みが落ちているように感じられます。手洗いも洗っている途中で水にうっすら色がつき、洗濯機に至っては水にはっきり色が見られました。
↑左から、新品・手洗い・洗濯機
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型崩れの具合
手洗いは新品とそれほど変わらず、型崩れは特に見られませんでした。しかし、洗濯機はフロントパネルとサイドの結合部分が引きつっているような状態になっています。
↑手洗いで洗濯後
↑洗濯機で洗濯後
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刺繍部分
59FIFTYの特徴のヤンキーズロゴやサイドのニューエラロゴ、背面のMLBロゴをそれぞれチェックしました。結果としては、手洗い・洗濯機ともに、刺繍のほつれや色の付着、毛羽立ちなどは見受けられませんでした。
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サイズシールの劣化
サイズシールも一度の洗濯ではそれほどの劣化は見られませんでした。しかし、洗濯機で洗った方は、若干ながら歪みが出ていたのか少しだけ凹凸が見られます。続けて洗濯をしていくと、劣化が早いのは洗濯機かもしれません。
↑手洗いで洗濯後
↑洗濯機で洗濯後
ニューエラ 59FIFTYの洗濯はおすすめできない!
ニューエラ 59FIFTYを実際に洗ってみましたが、どちらにしても色落ちや縮みなどのデメリットがあります。一度の洗濯では極端な劣化はありませんでしたが、手洗いも洗濯機も続けて洗濯をしていくと加速的に劣化が進んでしまう可能性もあります。
あえてどちらが良いのか比べてみると、手洗いの方が比較的劣化しにくく、洗濯機は負担が大きいと言えます。特に型崩れが深刻で、洗濯機洗いを続けていると引きつっている部分だけ色が抜けてきたり、その部分から生地が傷んできたり、またはほかの部分も崩れたりする可能性が否定できません。
経年劣化は必ずするため、手洗いでもいずれは色の抜けや日焼けが起きたり、生地が痩せてしまったりするものですが、少しでも長く綺麗な状態を保ちたいのなら、自宅での洗濯は避けてクリーニングを活用するのがおすすめです。